競技会中心の昨今のゲーム業界。その傾向は、出展企業にも広がっています。
“Multiplayer gaming is a critical part of the exhibit—one that had crowds lined up, waiting to play.”
“Multiplayer gaming is a critical part of the exhibit—one that had crowds lined up, waiting to play.”
目的:
「アサシンクリード」や「トム・クランシーのスプリンターセル」など、ユービーアイソフトが開発したゲームには世界中に膨大な数のファンがいます。同社がゲームショーに出展する際には、販売代理店からゲーマーまで、すべての来場者を引き寄せるブースプロデュースを目指します。特に、ゲーマーがターゲットです!
ユービーアイソフトは、シングルプレイとマルチプレイモードの継ぎ目のなく切り替えられるゲームのほうが、プレイヤーに楽しんでもらえることに気づきました。その結果、シングルプレイヤーのみが遊べるゲームからインターネットに接続するオンラインの形態にシフトチェンジを図りました。アイデアインターナショナルは、マルチプレイヤーゲームを展示ブースの中心的要素として扱い、多くの人がプレイしたいと列を成す人気の場所にすることに成功しました。
ユービーアイソフトは、Nintendo Switch、3DS、プレイステーション、Xbox、Wii U、パソコン、IOS、Androidなど、様々なプラットフォームやゲーム機を対象にゲームを開発しています。
「The Crew」のエグゼクティブプロデューサーからライブオペレーション事業部長に就任したアン・ブロンデル・ジュアンは、インターネットメディア『The Verge』とのインタビューで、「The Crew」をプレイするには常にインターネットに接続しなければならず、ユービーアイソフトの昔のゲームだったと述べました。この発言は当初、ゲーマーに懸念を抱かせ、ゲームの初期の成功を妨げたことから、社内でも懸念材料として扱われていたそうです。
ソリューション:
大型グラフィックとクラウド制御された支柱でブース内を区切ることで、バイヤーや熱心なファンなど、すべての来場者にユービーアイソフトの最新製品を個々の興味の元に見てもらうことができました。オンラインマルチプレイヤーゲームだけでなく、シングルプレイヤーのゲームも、ユービーアイソフトのブースに人々を引き寄せていました。
しかしながら、ゲーム業界では競技会に大きな関心が集まっており、その関心は出展企業にも広がっています。ユービーアイソフトは、50フィート× 70フィートほどの展示スペースに、高さ約20フィートものセントラルタワーを設置し、タワーの上部にはゲームを映す巨大なスクリーンを取り付けました。ホール正面の一番目立つ場所にブースを確保できたことで、入場者全員が必ずこのスクリーンを目にします。タワー周辺にはキオスクを置き、来場者が無数のゲームを体験できるようにしました。
ユービーアイソフトの最大の競合他社のブースもすぐ近くにあったのですが、自社のブースを見、その場所を知った担当マネージャーはすぐさま、その他社と「対決」しなければと思い立ち、大型スクリーンには大型スクリーンで対抗すると決めたのです。
すでにブースの4分の3ほどが完成しており、つまりそれだけの時間をかけたあとにも関わらず、マネージャーは私たちに、ブースを180°回転できないかと相談されているちょうどその時、昼休憩に出ようとしていた現場監督が目に入りました。状況を説明すると、彼は眉を寄せ、口をすぼめて、空を見上げました。
一瞬考えてから、現場監督は私の目を見据えて、「やりましょう!」と大きな笑顔で言ってくれたのです。
パチンと小さく手を叩いて立ち上がり、急いで追加の作業員を探しに行ってくれました。彼が、困難に立ち向かうのが好きな人であることは明らかでした。
1分もしないうちに、現場監督は30人ほどの作業員を引き連れてブースに戻ってきました。彼は、急な変更を嫌がりもせず、仲間たちもこの挑戦を楽しんでさえいるようでした。現場監督の素早い指示のもと、全員が作業に取りかかります。
まず、キオスクの周りにカットして敷いてあったカーペットを巻き上げ、通路に避けました。次に、電気ケーブルを引きはがして通路から外すと、作業員たちがどこからともなく手押しの台車をいくつも持ってきて、キオスクを丁寧に持ち上げ、ほかの展示物と一緒に台車に載せて移動させました。一瞬のうちに、取り付けが終わっていた物たちが動き出し、作業員がそれらを一旦通路に置きます。次に、音響と映像スタッフが現れ、たくさんの止め具やベルトなどを複雑に利用して巨大なスクリーンを降ろしました。最後に残ったのは、20フィートのタワーです。
タワーは、巨大なスクリーンを支えるのに十分な耐久性が必要だったため、中心の骨組みは頑強な造りになっていました。我々の小さな部隊をもってしても、180°回転させるのは不可能でした。すると、現場監督がふいにその場を離れていきました。5分ほどすると、なんと10トンクレーンがやってきたのです。クレーンが設置されると、作業員がタワーのボルトを床の支持物から外し、ストラップを骨組みに通してクレーンにかけました。度胸のある作業員がタワーの上まで登ってストラップとクレーンがしっかり連結していることを確認します。そして、クレーンがタワーを床から3インチほど持ち上げている間に、フロアの作業員が注意深くゆっくりと展示物全体を180°回転させました。その後、タワーは慎重に元の場所に降ろされし、タワーの上に居た作業員も事故なく降りてくることができました。私たちは、巨大な山を記録的な速さで動かすことに成功したのです。仕上げに、新しいタワーの位置に合わせてキオスクをブースに戻し、電気配線を整え、カーペットを敷き直しました。午後5時までには、全てがあるべき位置に設置されただけでなく、最後の仕上げやブース全体をきれいに整える時間が、まだ7時間近くも残っていました。
この経験から、アイデアインターナショナルは、正しいリーダーシップと出来るという信念、信頼できる作業員、そして10トンクレーンがあれば、どんなことでもできるという自信を得ました。
Idea International, Inc.
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