アジア諸国は今後どのようにしてワイン市場を取り込むか
アイデアインターナショナルはボルドー開催を含め、様々な国からバイヤーやワイン・アルコール飲料、飲食関連企業が集まるヴィネクスポ(国際ワイン展示会)でのマネジメントにおいて、とてもユニークな話を伺うことが出来ました。
アジア諸国がこのワインビジネスにおいてどのように編み込んでいくか、とても興味深い内容を目の当たりにしたのです。
ここ何年か前より、アジア諸国ではアジア圏の経済が良化していくと同時に、ワインやアルコール飲料の消費量が劇的に向上しました。この流行は、2015年のボルドーでのヴィネクスポの会場においても、顕著に現れました。
5日間の開催の中で、多くの参加者が集まり、様々なカンファレンスや試飲会は、アジアからの方々や市場向けに大いに貢献していました。
中国出身の女優Carina Lauは、1980年代の映画などで「どこにでもいそうな少女」の役を演じることが多かった女優ですが、現在彼女は「A Romance between wine and cinema」(ロマンスの狭間にワインと映画を)というワインのブランドを所有しています。彼女はなんとボルドーワインのトレーダーであるメゾンジネステ社とコラボレーションをし、ブランドを立ち上げたのです。
国際的に知られるワインとワインのある生活を題材にした雑誌社、”Le Pan”においても、このヴィネクスポへの出展は反響を呼びました。Palais de la Bourseで開かれたエレガントな夜会は多くの人々を魅了しました。雑誌社に努めているワインマスターで有名なJeannie Cho Leeは、ボルドーのChâteau Cheval Blancでも試飲会を行い、参加者を虜にしました。
フランスワイン雑誌であるRevue du Vin de France主催で中国産のワインの試飲会を行い、参加者だけでなく2007年の世界ソムリエチャンピオンであるAndreas Larssonもその味に魅了されました。
日本の宮坂醸造だけでなく他の日本酒メーカーも6種の代表的な日本酒から様々な日本酒をもってヴィネクスポに出展し、参加者を魅了しました。
様々なアジア各国からの参加者や出展企業があることから、ヴィネクスポボルドーも、アジア地域で開催を試みることにしました。来年度の2016年においては5月24日~26日には香港で、また11月15日~16日は東京での開催を決定しました。
1998年より、ヴィネクスポはワインやアルコール飲料産業を盛り上げようと、奮闘し、世界各国に広める活動を行ってきました。
2016年には、この国際的に名の知られた展示会がカンファレンスや試飲会を含めて、香港のコンベンション・エキシビションセンターで開かれます。
2014年に香港で開催されたヴィネクスポは34か国と1300の出展企業が、開催史上最大規模の17000人もの参加者を迎え入れ、3日間にわたった展示会は盛況に終わりました。
参加者も展示会においては重要な存在です。ことさらこの香港で開かれた展示会では、出展企業と参加者という枠を超え、ひとつのビジネスの場として如実に現れた展示会でもありました。参加者全員にとって、ヴィネクスポは市場開拓においてとても重要な展示会だったといえます。
香港はこのワインやアルコール飲料において、さらに中国のビジネス中心地であるため、とても貴重な市場です。
“香港は中国市場の開拓において非常に重要な地位を示し、さらにアジア諸国においてもワインやアルコール飲料ビジネスにおいて中枢核となる場所の一つだといえる。ワインやアルコール市場は以前よりも洗練されたものであり、展示会・見本市においても活発なビジネスの動きを見せている”とヴィネクスポのCEOであるGuillaume Deglise氏は話しております。
2016年度の11月に東京のプリンスパークホテルで開催されるヴィネクスポにおいて、日本も同様に重要な市場であると期待されています。展示会は様々な産業分野においてとても貴重なビジネスの機会を提供し、新たなビジネスへとつながる重要なイベントです。ヴィネクスポで開催されるカンファレンスや試飲会においてのターゲットとなる層は明瞭だからです。
2014年の11月に開催されたヴィネクスポでは、3200人ものアルコール飲料におけるプロフェッショナルや500ブランドのワインやアルコール飲料が集い、さらに日本ではまだ輸入されたことのない飲料も日本市場の開拓を目標にこぞって出展していました。
28%が参加者、卸売り業者が13%、バイヤーが19%、小売業者が11%という構成比でした。台湾や中国、インド、そしてシンガポールからこのヴィネクスポ東京(日本開催の際はヴィネクスポニッポン)から参加者が来場し、85%の参加者が日本人でした。
2014年、東京で初めて開催されたヴィネクスポ東京が盛況だったように、この2016年度の開催も盛り上がることでしょう。
“日本の市場は他の国々とは一味違う。”とヴィネクスポの会長であるXavier de Eizaguirre氏は話しております。”東京でのヴィネクスポを再度開催するが、ヴィネクスポはワイン、アルコール飲料産業において、参加者全員に世界の流行を感じて頂くだけでなく、前回と比べさらに洗練された市場開拓への機会を与えるだろう”と言っています。
ボルドーとアジアの出会い
ヴィネクスポとは
この見本市は1981年にボルドー商工会議所によって創設されて以来、2年に1回開催され、これまで回を重ねるごとに、ワイン・スピリッツ部門の専門家が集う国際見本市として不動の地位を築いてきました。
2006年よりアジア太平洋地域での開拓を目標に、香港においてアジア初のヴィネクスポを開催し、アジア諸国のワインやアルコール飲料産業ビジネスの皮切りとなりました。2016年はアジアでは香港に続き日本の東京で開催されることが決定しています。
それぞれの地域で開催される前に、ヴィネクスポ委員会は世界中のワインやアルコール飲料産業における問題やカンファレンスの調査も行っています。1999年より5か年調査の内容は様々なトレンドや問題を発表しております。詳しくはこちらのリンクをご覧ください。(引用サイトは英文です)
Comments are closed.